春は新しい何かに取り組みたくなる季節ですよね。
このたび、イギリスの大学の研究チームにより、
『犬の多くは右利きである』という興味深い研究結果が
発表されました。
その新情報をもとに、愛犬と新しいトリック(一芸)に
チャレンジしてみるのはどうでしょう。
春は新しい何かに取り組みたくなる季節ですよね。
このたび、犬について興味深い研究結果が発表されました。
犬猫行動アナリストがその新情報を有用に活用すべく解説しますので、愛犬と新しいトリック(一芸)にチャレンジしてみるのはどうでしょう。
犬の多くは右利きらしい
2021年4月、イギリスの大学の研究チームが、犬の多くは右利きである、という研究結果を発表しました。
そもそも、脊椎(せきつい)動物は左脳が右半身を制御しており、餌(えさ)を食べるなど日常的動作の指示は左脳の担当とのこと。
そのような関係から、右前脚を使っていると考えるのが妥当である、というのです。
これが何に結びつくのか
飼い主さんの中には、それがどうしたの?と思われる人もいるでしょう。
しかし、この右利きである、という発見は、人と犬とのコミュニケーションや病気の早期発見に大いに役立つのではないかと考えます。
というのも、例えば「おて」を教える時に、自分が飼っている犬が右利きであることが想定できていれば、教えやすさと覚えやすさが変わってくるでしょう。
おやつなどを見せながら、ほんの少し犬の体の重心を左側に傾けさせます。
これはもともと「おて」を教える方法の1つですが、右手があがりやすいとわかっていれば、より自信をもってこの方法を活用することができますよね。
もちろんこうした前肢をあげさせるトレーニングをしておくと、脳の病気の早期発見に繋がることもあるでしょう。
前述したように、左脳が右半身を制御して右利きが多いというのであれば、右前肢をあげにくくなるということは、関節などの異常の他に、左脳に何らかの障害が生じている可能性が示唆されるからです。
逆のことが、右脳が制御している左前肢にも言えるでしょう。
日頃から前肢を交互にあげるような「おて・おかわり」や、飼い主の両手と犬の両手を合わせる「ハイタッチ」などのトリックを教えておくことで、日々のコミュニケーションだけではなく、病気の早期発見に結びつけることも可能となる、ということなのです。
新しいチャレンジを取り入れて認知症予防にも
現在のところ、右利きの割合は雌の方が若干高いものの、雄は高齢になるほど割合が高くなっているとのことで、どの脚を使えばもっとも効率的なのかを学習している可能性があるとされています。
頭を使う学習は、認知症予防にも効果的。
今飼っている子がすでに「おて・おかわり」を覚えているようなら、そこから少しレベルアップして「ハイタッチ」や「挙手(名前を呼ばれるとどちらかの前肢をあげるしぐさをすること)」などを教えてみるのはいかがでしょうか。
もちろん、まだ「おて・おかわり」を覚えていない子も、チャレンジしてみてくださいね!
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
全日本動物専門教育協会 認定登録会員 t-ito